倭文神社は奈良市の西九条町にあり、かつての平城京左京の南辺に近く、東市という公設の市が置かれたところです。万葉集に、「東の 市の植木の 木足るまで 逢わず久しみ うべ恋ひにけり」という歌がありますが、かつては都で一番賑やかであったところです。今は工業団地になってしまってその面影は全くありません。ただ倭文(しずり)神社という古い神社があって、そこで行われる秋祭りが大変ユニークで有名です。上記の写真は、祭りの際に供えられるヒトミゴクとよばれる神饌の一部。里芋にヘノヘノモヘジの顔を書いて、これをヒトミゴクに取り付けます。この写真を撮ったときには、大学の先生方と思われる方が数名お見えになって、このヒトミゴクを大変面白がっておられました。神饌にはズイキで出来た蛇を取り付けたものもあり、別名"蛇祭り"の名前の由来にもなっています。(倭文神社/秋祭り-全写真)
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