奈良県には、農耕の所作を演じて豊作を祈願するおんだ祭りと呼ばれる祭りが数多く残っています。その中には中世に遡ると推定されるものもあって、この平尾のおんだも古い要素を残す大変珍しい祭りです。この場面は、ショトメと呼ばれる子供たちが田植えの動作をなぞって舞台上をぐるぐる回るところです。子供たちは白丁を着て、背中にはかさを被り、手にはカヤとシキビと稲穂で作った苗を握っています。この後、若宮様という翁面をつけた人形が登場して、人形の全身に結わえられたこよりを村人たちが貰い受ける珍しい行事が行われます。治療したい患部と同じところに結わえられたこよりを貰って、その部位を擦ると病気に効くとされています。(平尾のおんだ-全写真) |