| 奈良県南部は修験道の本場。吉野や大峰の修験道、真言密教に関連する行事は数え切れないほどあります。しかし、黒瀧村鳳閣寺の火渡りの業は格別。大峰山中興の祖理源大師が根城としたという由緒もさることながら、そのロケーションがなかなかユニーク。吉野から大峰山に至る尾根道の中央ややはずれにある貝山の頂上にあり、眼下に吉野山蔵王堂を睥睨し、遠くには金剛、葛城、信貴、生駒の山塊を望むことができます。夜は満天の星が素晴らしく、その中でこの日火渡りの業が行われました。ストロボを使わず、厳粛な雰囲気を写し取るべく、あえて超高感度の白黒ネガフィルム(ISO1600)を使ってみましたが、漆黒の闇と、光線と炎が綯い交ぜになって、なかなか面白い画面になりました。特に足元の炎が妖しい雰囲気を醸し出しています。ストロボを使うと絶対に出せない諧調ですね。
(Lens50mm, 絞りf2.0, 露出1/60秒、マニュアルフォーカス、ISO1600) -参考: 鳳閣寺 火渡り (全写真) - |
