東大寺の御身拭いには、沢山のカメラマンが来られます。しかし、かなり難しい被写体なので、今回はその説明。東大寺大仏殿の屋内は、就学旅行生の配慮のため撮影OK。但し三脚禁止なので、通常だとストロボ撮影となるはずです。ところが、この日は大変な埃が空中を舞うので、ストロボを発光させると、光が埃に反射して全体が真っ白に写ってしまいます。結局、高感度フィルムを使用して、ノンストロボ/手持ち撮影するほか手がありません。私の撮影メモを公開すると、レンズ80-200mm、開放f2.8、フィルム増感(ISO400=>ISO1600)、絞り2.8、シャッタースピード1/125秒、マニュアルフォーカス、手持ち撮影ということになります。通常200mm程度のレンズを使用して手持ち撮影でブレが出ないのは、シャッタースピード1/200秒以上が常識なので、かなりギリギリですね。結局、増感できる超高感度フィルムを使用することは当然ですが、レンズも通常の望遠ズームがf5.6くらいなので、f2.8の大口径ズームレンズ、あるいは明るい短焦点レンズを用意する必要があります。他に、最近流行の手ぶれ補正レンズを使用するか、これらの高級レンズが使用できない場合は、柱にカメラを密着させてシャッタースピードを1-2段稼ぐという手もありそうですね。ちなみに、被写体が真っ黒なので、露出設定にはマイナス0.7程度の補正が必要です。
-参考: 東大寺 お身拭い (全写真) - |