四社神社は、元伊勢と称して、 垂仁天皇の皇女、倭姫(やまとひめ)が天照大御神を祀る宮地を探して全国を巡ったときに、ここに一時行宮を置いたという伝承のある古い神社です。伊勢街道沿いにあって、かつては伊勢参りの宿場町として、大いに賑わいました。神前の菅野川は東向きに流れているので、御杖村は奈良県にあるものの、分水嶺上は既に三重県側にあるといえます。山中にあってもどこかしら景色が明るいのは、東海の風が吹いているからでしょうか。
さて、菅野の獅子舞は、戦後始められたので、決して古いものではありません。かつては伊勢大神楽の巡業がこのあたりにもありましたが、戦争中途絶えていたものを村人が復興されたそうです。
獅子舞は全国どこでても行われていますが、特に伊勢大神楽は、桑名の増田神社に拠点を構えるプロ集団が回壇と称して全国を巡業するのがその特徴で、現在でも滋賀県や岡山県辺りで盛んに行われています。かつては奈良県の伊勢街道沿いでも、この巡業があったそうですが、今はほとんど絶えてしまって、村人によって継承されているところだけが数箇所残っています。(参照-大和の獅子舞)
特に、四社神社の獅子舞は華やかで、境内の雰囲気が明るいこともあって、観光客や写真家に人気です。(菅野の獅子舞-全写真) |