春日祭は、日本三大勅使祭のひとつで、春日大社で最も格式の高い祭りとされています。ただし、天皇家の祭りというその性格上、"おん祭"などと較べると大衆に開かれた祭りとは言いがたく、観光案内にはほとんど載っていない有様です。しかも、祭りが行われている場所に一般のカメラマンが入ること自体がご法度で、縦縞の暗幕越しに祭事を傍観するしかなくなってしまいます。この写真は、仕方がないので、祭りが終わった後にその暗幕を撮っただけなのですが、光の陰影が効いて、案外良い写真になったように思います。
最近、"大和の神々三部作"と銘打って、新たに編成したウェブ展示作品の中に"神々の残像"というのがあります。30数点の組写真のひとつとして、あらためて再発見したのがこれなのです。正に宴の後、残香のごとく、印象に残る写真だと思いませんか? |