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Dec. 31 2005 Manual focus, Lens75mm, Format645 RHPV |
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私は、奈良の数多ある仏様の中で、この飛鳥大仏が一番好きです。しかし、日本で最初の本格的仏像とされるこの仏も、今に残るのは目と指先の部分だけで、その他は江戸時代の後補だそうです。なんとも拙い補修ですが、この日本堂の扉が開かれて堂前から遥拝すると、荒ぶる古代の魂が大晦日の闇夜に現れたように思いました。江戸時代の田舎仏師は、災禍の後、何とか脳裏にのみ残る在りし日の仏尊の姿を蘇らせようと努めたのでしょうか。稚拙な造形の中にも、飛鳥時代の様式を立派に示しているのは不思議です。飛鳥時代には、仏像は、堂の扉を開けて堂前の遥拝石から拝むのが普通で、しかも拝めるのは高位の貴族だけに限られていました。かつて飛鳥大仏も、このような位置から宮廷の人々に拝まれていたはずです。 |
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Web初版開設日: |
01/01/2003 |
Web二版更新日: |
09/01/2005 |
頁最新更新日: |
12/01/2006 |
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