奈良県天理市の石上神宮から東に約2キロ、布留川を上っていくと、落差23mの"桃尾(ももお)の滝"に至ります。別名"布留(ふる)の滝"ともいい、近くには石上神宮の奥宮とされる石上神社もあって、物部氏が本拠とした布留地区の奥津城にあたり、神の光臨する神聖な場所とされていました。物部氏の勢力が衰えて後、奈良時代に義淵僧正が桃尾山蓮華王院龍福寺をこの地に開いて、真言密教の修行の場として大いに栄えました。また、多くの和歌に詠まれて、風光の素晴らしいところとして知られていましたが、明治維新の廃仏毀釈で寺は廃絶して、荒れ果ててしまいました。今は年1回、7月18日に、かろうじて石上神宮の宮司さんにより"滝開き"の行事が行われています。 |