法隆寺の涅槃会は、平安時代からの歴史を誇り、お釈迦様の遺徳をたたえて、大講堂で行われます。涅槃会は、京都の泉湧寺や奈良の興福寺も有名ですが、大きな涅槃図をかけておこなわれるところが共通点ですね。しかし、堂内は撮影禁止ですし、どうしたものかと思案して撮ったのがこの写真。遠くから望遠を使って上堂衆が退出するところを撮影しましたが、ハイキーに露出を補正することで、講堂内に奥深く架けられている大涅槃図をボンヤリと浮き立たせることに成功しました。実は、入江泰吉さんが長谷寺のだだ押しの鬼を撮ったときに、本堂内の壁画を背景に使っていたことを思い出しました。ちょっと変わった写真ですが、行事の意味を良く知る人ならば、ニンマリといったところでしょうか。(Lens80-200mm,
絞りf2.8, 1/125秒、マニュアルフォーカス、ISO400)
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